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広野さんのイメージイラスト

「なかつか ゆみこ」さん

 今回は、京都在中の詩人• 絵本作家の なかつかゆみこさんを紹介しましょう。

 今年なかつかさんのバリアフリー絵本復刻版が出版されました。点字付の絵本が復刻されるというのは、待ち望まれている絵本であるにもかかわらず「どれだけの人が読むのか」「誰が購入するのか」「どこが作るというのか」などいろいろな面からなかなか難しい状況です。
そんな中、バリアフリー絵本を創りあげていった なかつかさんに2回目のビスケット村インタビューをお願いしました。今回は、復刻版の絵本についてが主な内容です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー今回復刻されたバリアフリー絵本ー
「さわってごらん だれのかお?」岩崎書店
「サワッテゴラン ナンノハナ?」岩崎書店
「さわってごらん いまなんじ?」岩崎書店
(各冊2500円+税)

▷旧「絵本サイトビスケット村」なかつかさんのインタビュー抜粋はこちら
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー *まず最初に「バリアフリー絵本」とは、どういう絵本か 紹介をお願いします。
 バリアフリーえほんは、目の不自由な子どもと、目の見える子どもが、いっしょに触って遊べる絵本です。
どうやって触れるようになっているかというと、まず厚紙に色のついた絵を印刷し、その上に透明なUVインクを重ねて印刷して凸凹を作ることで、絵や文字が触れるようになっています。
 製本はリング製本という、めくりやすくてペタっと開きやすい製本方法を採用しています。これは、くるくると螺旋状に巻かれた針金で閉じてあるバインダーノートと同じような作りになっています。
 他にも、カラフルな色付き点字がついていたり、弱視の方にも見えやすいようにはっきりとした色使いをしていること、また触っても汚れにくく破れにくいように、紙にペットフィルム加工をしていることなどが特徴としてあげられます。

*バリアフリー絵本を創る際に、こころがけていることはありありますか?
 バリアフリー絵本には、いくつかの大切な役割があると考えています。
 まず1つめは、目の不自由な子どもたちが、絵本を楽しんだり、絵本から学べるようにすること。
2つめは、目の不自由な子どもと、目の見える子どもが、絵本を共有(共遊)できるようにすること。
3つめは、絵本を通して、目の見える人と、目の不自由な人とが、お互いの世界に触れることで、お互いの世界を広げたり学べたり楽しんだりできるようにすること。
1つめと2つめは物質的なバリアフリーで、3つめは気持ちのバリアフリー。これら3つの役割を大事にして、バランスよく作っていくのがよいと思っています。

*今回の復刻版の工夫された点を教えて下さい。
 今回の復刻版では、色覚障害(赤や緑が見えにくい)の方々にも見えやすいように、一部の色調を変更しました。
 最初に絵本を作ったときには、色覚障害の方の見え方について、具体的にイメージすることができなかったのですが、現在はパソコンソフトで、だいたいどのように見えているのかをシミュレーション出来るようになってきています。それで復刻版では、色覚障害の方に見えにくい部分を確認し、見えやすくなるよう色調を調整しました。
 視覚障害といっても、みなさんひとりひとり感じ方が違いますので、全ての方に見えやすいものというのは難しいのですが、なるべくなるべくという感じで作っています。
例として、カエルの絵を、ごらんになってみてください。

<修正前>1
←修正前のカエルの絵です。仮に、この絵をAとします。晴眼者には、大体このように見えていると思います。
2
← 色覚障害(P型)の方には Aの絵は、このように見えていた可能性がありました。
3
← 色覚障害(D型)の方には Aの絵は、このように見えていた可能性がありました。
<修正後>1
← 修正後のカエルの絵です。 色覚障害の方が 少しでも見えやすくなるように Aの絵のオレンジ色部分の色調を 少し変えました。
2
← 色覚障害(P型)の方には このように見えるようになった可能性があります。
3
← 色覚障害(D型)の方には このように見えるようになった可能性があります。

 今回は絵本全体の色のバランスを崩さない範囲での変更になっていますが、新しく絵本を作る場合には、もっと見えやすい色を最初から選択することが可能になってくるかと思います。

*なかつかさんにとって「バリアフリー絵本」とはどんな存在なのでしょうか? 
 バリアフリー絵本は、わたしにとって、大切な思い出の箱のようなものです。絵本をさわっていると、絵本を作るときに協力してくださったたくさんの方々のことを思い出すことができます。また、目の不自由な人との出会い、学んだこと、そのおかげで心が豊かになったこと、絵本を楽しんでくれる子どもたちの笑顔や、まわりの大人の人たちの笑顔まで、いろんなことが浮かんできます。
 これから新しい絵本を作るとしたら、またその絵本も、そのときそのときに関わってくださった人の暖かい想いや笑顔がたくさん詰まった絵本になるのだと思います。
 また、バリアフリー絵本がコミュニケーションツールとしての役割を果たし、読者のみなさんにとっても、素敵な思い出の箱になってくれることを願っています。
 
*今 何が面白いですか? 
 アナログがおもしろいです。インターネットが普及しはじめた早い時期からパソコンを使っていたので、ネットを使った表現やコミュニケーションなどに抵抗はほとんどありません。でも最近、ネットがなかったころの感覚が懐かしくなってきました。
 絵本もこれからデジタル書籍が増えてくると思いますが、バリアフリーは触る絵本ですから「物」というアナログでなければ成立しない・・そんなところも面白いなと改めて思っています。
 また、ネットやパソコン、モバイルなどを使った表現やコミュニケーションの中に、アナログなイメージをどうにかして取り込むことができないかなと、考えたりもしています。たとえば、電子書籍の絵本の中に、風を吹かせる、というようなことです。
  
*どんな風に生きたいですか? 
 先ほどの質問の答えと重なりますが、自然の音が聞こえるような生活がしたいです。 風の音、木の葉がざわざわいう音、人とゆっくり話せるような空間のある生活です。
食べること、寝ること、人と会うこと、なにをするにしても、ひとつひとつを大切にしている実感のある暮らしがいいなと思います。
 そういう暮らしの中で、生きている手触りを感じられるような、絵本や詩集を作っていけたら素敵だなと思います。
 
*お知らせ・連絡先
■なかつかさんのホームページ 
http://gaganbo.jimdo.com

 

 




「さわってごらん
だれのかお?」

 

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「サワッテゴラン
ナンノハナ?」



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「さわってごらん
いまなんじ?」